ももちゃんからのメール
お久しぶりです。
パソコンを買い、”光”開通工事も済み、
インターネットができるようになったので、
早速お父さんにメールを送ります。
近況を報告します。
Aモバイルコミュニケーションの工場は大きく3つに分かれています。
私がいる所は整流3課で、組み立てと検品をしています。
その中も3つのグループに分かれていて、私は2グループにいます。
各グループにはリーダーが2,3人います。
私がこの仕事に就いてもうすぐ3か月(4月)になろうという頃、
新たに「品質管理リーダー」というポストが立ち上がることになりました。
今まではA社の社員の方々と
各グループのリーダーがやっていた仕事だったのですが、
各グループに1人品質の専門を付けることでもっと効率よく、
もっと良いもの作りをしていこうということが目的でした。
信じられないようなことですが、
私にその話が巡ってきました。
会社側の方が、
他に多くのベテランがいる中で私はまだ日が浅く、
経験も少ないのも承知の上だが、
私の覚えの早さ、器用さ、
なにより仕事に向かう姿勢を見て私が適任だと思った。
A社側も私を推薦している、と教えてくださいました。
それまでは、ただひたすら”なのはな”で教えてもらった
「真面目に、真剣に取り組んでいく」
ことを意識しながら過ごしていました。
ですが、
「本当にこれでいいのか?
適当さや不真面目なところがなかったか?」
と、いつもいつも自分を疑い、問いかける毎日で、
自信が積みあがる感覚なんてありませんでした。
なので、
この話がきた時は本当に不思議でした。
と同時に、(偉そうですが)
「”なのはな”って本当にすごい!」
と思いました。
仕事が続けられることだけでも、
私にとっては奇跡なのに、
”なのはな”の姿勢(私はまだまだ身に染み込んでいませんが)
って本当に正しいのだ実感しました。
褒められたり、認められたと感じると,
ついつい有頂天になるのが私のいつもの悪いところなので、
このときは上がり過ぎないように、
「謙虚に、謙虚に‥‥‥」
とおまじないのように唱えていました。
今でも毎日ずっと唱えています。
ですが、
私は謙虚の”け”の字も知らないのだと、痛感させられる毎日です。
「もっと真面目に”なのはな”で学んでくれば良かった」
と思わない日はないくらいです。
品質管理の仕事の内容は、
組み立て途中でで出たNG品
(キズ、破損、組み込み不良、ソフト面の起動不良など)を
その場で直せる物は直し、
無理なものは”解析”という直し専門の部署へ送るように仕分けします。
何かトラブル(落下や、不良品の材料発見、機械故障などなど)
があったらその対応と、
初めてその工程をやる人がいたらその工程の作業指導、
検品からはじかれたNG品の直し、
それとみんなの作業のようすチェックなどさせてもらっています。
始めの頃、
出たNG品をただA社の社員さんに報告だけして、
自分の中で完結させていました。
ですが、
そんな自分がいかに甘いか思い知らされることが何度もあり、
ようやく私は、
「NGが出たら原因を究明し、その対策を講じる」
ということをしなくちゃならないと、思い当たりました。
が! これもまだまだ甘く、今は
「原因究明→対策→改善」
ここまでが私の仕事なのだと、
何度も何度も失敗をし、
痛い思いをし、ようやく気がつきました。
でも、これもまだまだだと思います。
最近はNGが出る前に予想をし、
先手を打つことを考えるようにしています。
今はいろいろ考える幅が広がってきたのですが、
始めたばかりの時は覚えることの量の多さにテンテコマイでした。
すべての機種(6機種)の組み立て作業工程
(1機種につき6~9工程で流れ作業で組み立てます)を覚え、
そのばらし方、直し方、
作業ミスによるソフト面での機能NGはどの工程が原因かとか、
使っている機械(ビス締め機、機能検査のパソコンなど)
の扱い方などを覚えました。
一番苦労するのは、
100人近くいる作業者の名前と、
どの作業に適しているかを見極め、覚えることです。
毎日頭に詰め込んで、詰め込んで、
脳みそが耳から出てきそうな勢いでした。
いろんなことができるようになったり、
わかるようになったりして夢中になる面もあるのですが、
知識を付ければ付けるほど、
偉そうになりそうでこわいです。
それと人を判断、つまり評価しなくてはならないのもこわいです。
NGが出たとき、
作業者の方へ再指導や注意をしなければなりません。
自分の話し方や、態度など、謙虚さを知らない分、
そこらへんはとっても苦労しています。
でも、あるとき、
「そんなふうに思っていている自分はやはり偉そうだ」
と思いました。
作業ラインに入っているからこそわかるようなことを、
数え切れないほど作業者のみんなから、
私は教えてもらっています。
自分がどれほど、みんなに支えてもらっているのかに気がつき、
自分のだめなところをさらけ出すのを怖がったり、
「みんなに迷惑かけるんじゃないか?
嫌な思いさせるんじゃないか?」
なんて、おろかに心配している自分は間違っていると思いました。
そういえば、
よくこういったことでお母さんに怒られてきたのを思い出しました。
気持ちは軽くなり、私はいつも、
「私がみんなに支えてもらっている分、
私はみんなが働きやすいように、
少しでも気持ちよく作業できるように、
みんなの下で、底力となって、
良い”もの作り”ができる環境をつくるためにがんばろう」
と考えています。
こんなふうにいろいろわかってきた、
というようなことを書いてはいるのですが、
悩んだり、判断がつけられなかったりの連続です。
以前の私は、
もっと結論が早く出せて気分スッキリだったのに、
ここに来てからはいつもいつも自分を疑っています。
なぜなら、
毎日毎日変わっていったり、
新たな発見があったり、
気がつかされることがあったりで結論なんて出せないのです。
でも、変わらないものも持っています。
「わかっていなくても、本当の謙虚さを目指し続ける」
ということと、
「真面目に、真剣に向かうこと」
です。
”なのはな”で教えてくれたことを
いつか本当にわかるようになりたい、
と思い続けています。
だらだらと、自分の苦労話を書き連ねてはいるのですが、
摂食障害だったときのような苦しさはなく、
私は今まで生きてきた中で一番安定した日々を送っています。
特別、感動したり、うれしかったりすることはないのですが‥‥‥
というか、
そういった私の感情は正しいものではなかったんじゃないか?
と考えてしまう今日この頃です。
でも、最近うれしいと感じたことは、
言葉の通じない中国人の方達の生産ラインから
NGが出なくなったことです。
始めはもう本当にNGばかりだったのですが、
しつこくしつこく
「私はこういうものがつくりたい!」
と良い物と、悪い物をもっていって、
表情と言葉の強さで訴え続けてきました。
気がつくと、彼らは片言の日本語で、
「あぁ、コレハダメネ?」
と、どんな小さなNG品も見落とさなくなりました。
始めはうるさがられた私も、
今は毎朝
「ニーハオ!」
と挨拶しに行くと、笑顔で、
「ニーハオ!」
と答えてくれるようになりました」
ちょっと近況報告を書くつもりが、
ずいぶん長い文になってしまいました。
読みにくかったら、ごめんなさい。
とにかく、私は元気です。
ありがとうございました。
もも
| ももちゃんはなのはなに来た時、26歳でした。 摂食障害で長い間苦しみ続け、 とても外に出られるような状態ではなかったため、 一度も勤めの経験がありませんでした。 そんなももちゃんが、 なのはなを卒業してから就職した職場で、 わずか3か月目でリーダーに選ばれました。 そして、1年が過ぎた現在もそのまま順調に仕事を続けています。 ももちゃんがなのはなで摂食障害を克服し、 外で、真面目に謙虚に立派に働いていること、 そしてなのはなの生きる姿勢を周りの人々へ 広めていってくれていることが、 私達の大きな希望となっています。 |