スプリングコンサートを通して


 今回のスプリングコンサートに向けて、私が自分に言い聞かせてきたことは、「プレイヤーであること」でした。
 私は、準備で、なのはな土木の一員として、ステージを作りをする班に入らせてもらいました。
 作業において、なかなか理解できないことは沢山あったけれど、受け身の側に逃げるような自分は捨てようと思いました。
 リーダーの人が説明してくれて、皆で手順を確認してくれているときも、自分の頭で考えるようにしました。
 作業があった日の夜に毎回開かれるミーティングでは、皆で反省しあったり、明日の作業がもっとうまくいくように、共通認識を深めたりしました。
 その中で私は、
(もっといい仕事がしたい) 
 その気持ちを皆と共有できているのを感じました。
 もっと理解して、もっとメンバーの1人として参加していきたいという気持ちが増しました。
 作業の中で、視野が狭くなってしまったり、うまく動けなかったり、失敗して迷惑かけてしまったりと、反省することは沢山ありました。
 でも、皆と一緒に1つのものを作り上げたいという気持ちは変わりませんでした。
 そういう気持ちで作業していると、ステージ作りの中で失敗があったときは、涙が出るくらい心底悲しい気持ちになり反省したし、逆にステージが完成したときには大きな喜び、達成感を感じることができました。
 自分が解らないことがあるときは、皆が一生懸命教えてくれるし、誰かが解らないときは自分も本気で一緒になって考えるし、全部が人ごとでなく、自分のこととして受け止められることをすごく幸せに感じました。
 完成後、雨の予報で、もしかしたらステージが使えないかもしれないとなったときも、全然悲しくなくなりませんでした。
 使えるとか使えないとか、それ以前にすでに自分は、別のもので心が満たされている感じがしたからです。
 お父さんが、
「ステージは使うことより、作ることに意義があるんだ」
 と、言ってくれたとき、そういう感覚は間違いではなく、その気持ちまでも、皆と共有できているのだと感じて、胸が熱くなりました。
 楽器演奏、合唱、ダンス、うり太郎劇団、どれも皆と一つのものを作り上げるんだという気持ちで練習しました。
 皆と1つになるには、恥ずかしがったり、緊張や、気持ちで精一杯が出せないような自分ではいけない、自分の苦手な部分を少しでも克服できるように努めました。
 自分1人が妥協しても、皆での作品を台無しにしてしまう。
 逆に、自分の精一杯を出して、皆に気持ちを添わせることができれば、もっともっと皆と深くつながれるのだと思いました。

・前日の準備

 スプリングコンサート前日の夜は、皆で準備をしました。
 フルマラソンが終わって、疲れているのは皆一緒、その中でどれだけ動けるか、そう思って準備をしていたら、さっきまでへとへとでもう動けないと思っていた身体が、不思議なくらい動いて、準備の時間を存分に楽しめている自分がいました。
 当日は、朝食前に、うり太郎劇団の皆と最後の練習をしました。
 前日の夜集まったときに変更したところなど、最後の確認も兼ねて通しました。
 最後の最後まで粘り、皆と気持ちを高め合えたことがとても嬉しかったです。
 今回、うり太郎劇団には新しいメンバーが加わって、11人で劇をしました。
 私は、劇団の1人1人のキャラも演技も大好きです。
 スプリングコンサートに向けての過程で、私は、今まで知らなかった皆の一面が見えたり、一緒に1つのことに向かえたことで、もっともっと皆を大好きになりました。
 ダンスにおいては、以前より少し身体が軽くなったのを感じました。
 ただ間違えないようにとか、皆とずれないように必死になるのではなく、自分は皆とダンスを作る1人なのだという気持ちや、楽しむ気持ちがうんと増しました。
 練習でも本番でも、リーダーのまこちゃとかよちゃんが、「笑顔笑顔!」と、いつも明るく温かく私たちの気持ちを高めてくれました。
 一緒に踊っているメンバーだけでなく、周りで見守ってくれていたり、アドバイスをくれる皆と一緒に作り上げているのだという思いでした。
 皆が踊っているときも、私は、その中に気持ちが引き込まれていきました。
 自分の身体は踊っていないけれど、気持ちはリズムに乗って、皆と一緒に踊っているような感覚です。
 心から応援し、勇気づけられ、ダンスを踊る側も見る側も心から楽しみ、皆がいてくれる心強さを存分に感じることができました。

・スタート地点に立てた

 本番は、思ったほどは緊張せず、穏やかな気持ちで迎えることができました。
 とは言っても、焦ったり、失敗してしまった部分もあって、そこはとても反省しています。
 まだまだ未熟な自分の現れだと受け止めて、気を引き締めてこれからの生活に生かしていきます。
 でも、それ以上に1場面、1場面を楽しむことができました。
 飾りや看板が美しく飾られ、梨の花びらが、まるで演出の一部のようにヒラヒラと舞う中で、皆の姿がキラキラしていて、そんな皆の家族として、これから生きていけるんだと、熱い想いで胸がいっぱいになりました。
 最後にお父さんお母さん、亜希子さん、小バンドの皆の演奏を聴かせてもらっているとき、理由も解らず、涙がこみ上げ、溢れてきました。
 私は、お父さんとお母さんの子にしてもらえたこと、なのはなの皆と家族になれたことに心から感謝しているし、幸せです。
 フルマラソン、そして、スプリングコンサートを通して、その気持ちが今まで以上に強く、確かなものになりました。こんなに大好きな家族がいてくれるからこそ、自分もなのはなの子として、皆の家族として、恥じない人間になりたいと強く思います。
 まだまだ未熟だけれど、もっともっと変わって、少しでも返せるような自分になりたいと思います。恥ずかしいことですが、よくやくスタート地点に立てたような気がします。