過程の大切さ   

 今回のスプリングコンサートでは、過程の段階で思うことがたくさんありました。
 まず始め、私は飾り係のメンバーの1員と発表されました。飾り係は他の係と比べてもメンバーが多く、大変な作業になるとは全く思いませんでした。
(きっとすぐ終わるだろう、それに私はリーダーじゃないし)
 そんな軽い気持ちで、飾り係にさせてもらったことを考えていました。
 飾り係のリーダーであるなおみちゃん、かにちゃんを始め、積極的に参加してくれている子達が朝食前の早い時間から準備しているのを見ても、自分は参加しようと思うことができませんでした。
(面倒くさい。自由時間は自分のために使いたい)
 そういう自己中心的な考えが頭の中にあり、自分か飾り係の仕事かを天秤にかけた時、自分をとってしまっていたのです。
 しかし、夜に飾りを作っているとき、かよちゃんがそこにいるメンバーを集めて言ってくれました。
「なおみちゃんは他にも仕事があって忙しいし、かにちゃんもまだ解らないところもたくさんあるだろうから、私たちが気持ちを添わせて空気を作っていこう」
 私はその時、空気を維持するどころか、参加しないという行為で、その場の空気を落としていたことに気付いたのです。
 みんなの輪を乱すことがどれほど罪なことなのかということを考え、自分を情けなく思いました。
 そして、自分と飾り係の仕事を天秤にかけた時に自分を選んでしまったことで、私は自分にこだわっているのだということに気付きました。
自分よりも優先させるべきものがあるということを受け入れずに意固地になっていたのです。
 私はなおみちゃんに謝りに行きました。
「なおみちゃん、私すごく無責任になってた。本当にごめんね。これから頑張るから」
 なおみちゃんは笑顔で言ってくれました。
「全然気にしてないよ。一緒に飾り係頑張ろう!」
 私はその時から、飾り係の1員として以上の力を発揮したいと思うようになりました。

・リーダーシップ

 
朝は6時からリビングで飾りを作りました。
作業自体が楽しくて、飽きることがありませんでした。
 今回、メンバーの中には、まだなのはなファミリーに来て間もない子もいました。
(空気が落ちてるな……。どうしよう)
 私がふとそういうことを感じた時には、決まってかよちゃんやみかちゃんがその場を明るい方向へ持っていってくれました。
 私はそれを見て、自分も甘えてばかりいるのではなく、リーダーシップを取らなければいけないと感じました。
 その場にリーダーがいる時はリーダーに気持ちを添わせ、自分がリーダーシップを取るべき場面では、その場の雰囲気を正しい方向へ持っていくように意識するようになりました。
 夜に飾り係で作業をしている時、みきちゃんが間違った作り方をしてしまったことがありました。
 その時の雰囲気が、いいものではないと私は感じました。
 みきちゃんはなおみちゃんに作り方が違うことを指摘され、マイナスな感情にのまれているように感じました。
 その時、リーダーであるなおみちゃんがみきちゃんを呼んで、外のテントで一緒に作業するために出て行きました。
 少し経ってから私が用事の為にテントに行くと、二人は楽しそうな笑顔で作業をしていました。
 さっきまでの暗いみきちゃんの顔が嘘のようでした。

・リーダーから学ぶこと

 私はなおみちゃんのリーダーシップの取り方が素晴らしいものだと思いました。
 間違ったことは正しく指摘し、でも空気を落とすようなことはしない。
 それが正しいリーダーシップの取り方であり、そんなリーダーだからこそ、メンバーも気持ちを添わせることができるのだと気付きました。
 正しい厳しさと正しい優しさを両方持っているなおみちゃんが飾り係のリーダーになってくれたことを心から嬉しく思いました。
 私はみきちゃんが間違ってしまった時、責める気持ちはありませんでした。
 確かに作業をやり直さなければいけなくなったのですが、その間違いがあったことで飾りを作る上での共通認識ができていないということが明らかになったからです。
 風車の回す方向、針金の止め方、花の固定の仕方……。1つの風車を作る過程で、いくつものステップがあります。
 その共通認識が甘かったのを感じました。私は、
(もっと早く風車を作ろう。もっとたくさん作ろう)
 という意欲の元で起こった間違いだったから、責める気持ちがなかったのだと思いました。
 間違いを通して、私は改めて「誰を先生にするのか」ということについて考えました。
 飾り係として先生にしなければいけないのはリーダーであって、他のメンバーを先生にしてはいけないのだと実感しました。
 先生をたくさん作ってしまうと、いつもお父さんが言うように、訳が解らなくなってしまうのです。
 1種類であるはずのものが、何種類もできてしまい、しまいにはどれが正しいものなのか解らなくなってしまうのです。
 お父さんからそのことは教えてもらっていたのですが、今回、そのことを「自分の体験」として実感できました。
 なおみちゃんとみきちゃんから学ばせてもらえて、凄く嬉しく思っています。

・自分にこだわらない

 
音楽練習では、今回はあまり練習することができませんでした。
 音楽を作る中で責任を負うということを強く感じました。
 変な音を出すくらいなら音を消す……。それが音楽では大切な役割を果たすのだということを学びました。
 変な1音だけでその音楽をぶちこわしてしまうこともあるのです。
 練習不足の楽器は、音をしぼって音楽を壊さないように努めました。
 でも、次のコンサートでは誰に聴かれても恥ずかしくないような音を出せるように練習したいです。
 スプリングコンサートという大きなものを作り上げる中で、いくつもの役割分担があります。
 でも、根元は1つです。
 スプリングコンサートを成功させること。
 それが本質であり、最優先事項なのです。
 私は始めの段階ではその本質を見失っていました。
 自分にこだわっていたからです。
 そういう変なこだわりを持つことで、自分にとってプラスになることなんてないのだと感じました。
 こだわらないということは、自分を解放することでもあるのだと思います。
 みんなの中の1人だという自覚を持つことによって一体感が生まれ、同時に安心感を得ることができるのだということを、実体験として経験させてもらったスプリングコンサートでした。