自分を作り直します

私は、スプリングコンサートに向けての過程で、ダンス、小バンド、合唱の伴奏、映画制作など、私にとっては、イベントまでの過程において、これまでより予定が詰まった中で過ごしていました。
 小バンドや、ダンスのことで、お母さんと話す機会があるたびに、お母さんは、
「まこ、いっぱいいっぱいにならないか?」
 と、聞いてくれました。

・成長

 
これまで、私は1つのことしか頭に入りませんでした。 目の前のことでいっぱいいっぱいになると、他のことが見えなくなってしまうのです。
 何が1番大切なのか、物事の優先順位が解らなくなってしまうのです。
 けれど、今回私は、自分自身の中で少しだけ、挑戦してみました。
 途中、あまりに予定が立ちこみすぎて、てんてこ舞いになってしまいそうになった時、イライラしてしまって、周りの人に嫌な思いをさせてしまう時もあり、反省するべき点は山ほどあります。
 けれど、これまでのように、いっぱいいっぱいになって、すべてが嫌になってしまうようなことはありませんでした。
 自分の時間が欲しいと思うようなことは1度もありませんでした。
 例えば、私は本を読むことが好きです。
 これまで、寝る前に本を読む時間がないと、
(あぁ、もう、今日は自分の時間が取れなかった)
 と思っていました。
 1人になる時間、自分の好きなことをしている時間が、自分の時間だと思っていたのです。
 けれど、自分のことではなく、みんなと一緒に何かをすることについて考えていて、それが形になった時、また、実際みんなと何かをしている時、その時間は、自分のためになる、とても貴重な時間です。
 自分に返ってきます。それこそが、自分の時間であって、何よりもかけがえのない時間だと思いました。
 そう考えたら、自分の好きなことをする時間なんてなくてもいいと思うようになりました。
 本を読む時間が欲しいとか、自分の好きなことをしたいとか、そんなことはまったく思いませんでした。
 気がついたらあっという間に1日が終わっていました。
 今日は何をしようかと、朝起きたときに1日のスケジュールを頭で立てて、布団から出ることが楽しかったです。
 うまくいかないときもあったけれど、しんどいとは思いませんでした。
 何かをやめて、1つに絞ってしまおうとは思いませんでした。
 いろいろな人に迷惑をかけてしまうことはたくさんあって、反省点も多いのですが、けれど、自分なりの精一杯で、取り組めたと思っています。
 映画制作の過程はとても楽しかったです。しかし、自分の気持ちが出来ておらず、一緒に制作していた大切な人の気持ちを傷付けてしまいました。さらに、私は自分を守るために、そのことと向き合おうとしませんでした。
 やるべきことをきちんとやり遂げたとは、とてもではないけれど、言えません。
 改めて、きちんと心を作り直していきたいと思いました。
 また今回、作東でのさくらまつりに引き続いて、ダンスのリーダーをかよちゃんと一緒にやらせてもらいました。

・ダンスのリーダー

 マラソン大会に向けての練習や、音楽練習が毎日あるため、毎日の練習は、朝食前に時間を取るようにしました。
 初日、6時起床なのですが、準備時間も考慮して、6時50分に集合してもらえるように、みんなに声をかけていました。
 しかし、時間になっても、誰も来ておらず、何人かが遅れて来てくれたので、
「当日まで、きちんと時間を取れるのは、ほとんど朝しかなくて、大切な練習時間なので、遅れないように来てもらえたら嬉しいです」
 と言いました。 
 けれど、朝は集まっても5~6人程度で、時間も遅れ気味で、そのことは少し残念で、寂しかったです。
 けれど、全員で集まって、日中にサブアリーナで練習する機会をもらったとき、少し練習するだけで、一気に1つになっていくのを感じました。
 これまでのイベントや、先日のさくらまつりのときに、みんなと1つになっていて、その気持ちと、これまでの練習で、ベースがしっかりしていたため、ほんの少しでもみんなと踊って話し合うだけで、どんどん変わっていきました。
 2時間という短い時間の中で、すごく詰まった練習をすることができました。
 当日までの練習量は少ないかもしれないけれど、本番は気持ちで1つになれるだろうと思いました。
 本番、誰1人として、マラソン大会の痛みも感じさせず、みんなと1つになって踊れたことが、心から嬉しかったです。
 いつでもかよちゃんが前向きに持っていってくれ、かよちゃんとやらせてもらえて、嬉しかったです。
 小バンドでは、私は今回、キーボードとして参加させてもらいました。
 練習を通して、どのパートとして大切だとか大切でないとかではないということを感じました。
 どのパートだって欠けてはならないのです。
 どのパートも大切な大切な全体の音楽の中の1つなのです。

・小バンドを通して

 
私は今回、ストリングス系の音色を奏でさせてもらいました。
 どのように、他の音を消さず、みんなの中の1つとして溶け込み、みんなの音を引き立てられるような音を奏でられるかを考えながら演奏しているのは、とても楽しかったです。
 1つのパートがほんの少し変わるだけで演奏そのものがガラっと変わりました。
 これまで小バンドの演奏を聴かせてもらう側だったのですが、聴いているとき、1回1回、聴くたびに変わっていくのを感じていました。
 今回、練習させてもらう中で、こうやって、どんどん進化していくのだということを身をもって体験しました。
 新しいものをどんどん生み出していく1人であることを自覚し、良いものを作り上げていきたいと思うことができました。
 けれど、私は自分自身の頑なに脱ぎ捨てずにいる部分を見ることもありました。

・新しいものを生み出す

 メロディラインを弾かせてもらう機会があったのですが、そのとき、
「まこのピアノはつまらない。意思のある音で弾いて」
 と、お父さんが言ってくれました。
 私は、歌うことで少し脱げたベールは、まだまだ脱ぎきれていないことを感じました。
 まだ脱ぎ始めたばかりで、全部脱ぎ去るのは、とても難しいです。
 やっぱり私は色々な場面で、破綻のないように、安全圏を選んでいるのだなと思いました。
 「BORDERLINE」という曲で、
「この曲は、おどろおどろしく弾いてみて」
 とお父さんが言ってくれ、そのように意識して弾いてみると、お父さんは、
「そっちの方が全然いい」
 と言ってくれました。
 安全なところを選んで、何も挑戦しないでいては、何も得ることはできません。
 破綻はなくても、何の前進もありません。
 与えられたものを、ただこなすのでなく、そして、与えられたものをやっているのだから、何が悪いの? と、あぐらをかくのでなく、勇気を出して、1歩踏み出して、試行錯誤を繰り返して、プレーヤーとして、新しいものを生みだし、自分自身も進化していきたいと思いました。
 また、歌うことに関しては、勝央町のコンサートに出演させていただいたことが、私にとって大きな変化になりました。
 私はあの日、歌い終わったあとも、歌いきったのだという爽快感、やりきったという達成感が得られませんでした。
 何となく、胸につかえるものがありました。
 けれど、みんなが、
「『何度でも』よかったね、最高だったね」
 と、言ってくれ、私はそうだったのだ、成功だったのだ、良かったのだと思い込むことにしたのです。 
 違和感は、なかったことにしてしまったのです。

・お母さんの言葉

 けれど、お母さんは、後日、本当のことを教えてくれました。
「お母さんは、まこのこの間の歌は不満に思っているよ。緊張していたのもあるかもしれない。一生懸命だったのもわかる。でも、まこは、あの会場に酔っちゃったんだよ」
 と、教えてくれたのです。
 私は、なのはなファミリーで、せっかく自分を偽らないでいることの大切さ、心の軽さを感じ始めたのに、外の人の前に立ったら、また格好つけてしまったのです。
 これでは、いつか自分が社会に出たときに、また同じことを繰り返してしまいます。
 格好つけて、自分を偽って、自分を自分以上に見せようとして、結果、ここに来る前と同じように、また自分が苦しくなるのです。
 そんなのは嫌だと思いました。
 思い返せば、これまで私は、歌うときに、聴いてくださる方によって、歌うときの心持ちが違っていたことに気がつきました。
 けれど、歌にこめる思いは、誰が聴いていても、同じです。
 誰かの前ではこういう歌い方、誰かの前ではこういう歌い方、と歌い方を変えてしまうのは、間違っていると思いました。
 どんなときでも、誰に対しても精一杯で歌いたいと思いました。
 自分の持っている全力で表現し、聴いてもらいたいと思いました。
 それからは、誰が聴いていても、聴いてくださる方が1人でも大勢でも、その曲を知っている方でも知らない方でも、練習でも、本番でも、いつでも誰の前でも自分の持っている力の全てで歌おうと決めました。
 歌い終わった後で、後悔しない歌い方をしようと決めました。

・「Jupiter」

 
また、「Jupiter」では、あすちゃんと歌わせてもらって、私はとても嬉しかったです。 
 今回私は、あすちゃんの透明感のある、澄んだ歌声にいかに添わせられるか、といつも考えながら歌っていました。
 お母さんも、
「まこ、あすかの声量に負けちゃっているよ。低音を響かせて、あすかの歌声を引き立てることで、まこも光るんだよ」
 と、教えてくれました。
自分が歌うことで、大好きな人の歌声が、さらに引き立つのだとしたら、それは、この上ない幸せです。
 まだまだ、声量もないし、低音が出ないけれど、それでも、あすちゃんの気持ちに添うように、と考えながら隣で歌わせてもらっていると、優しいあすちゃんの気持ちが私の心を温かく満たしてくれました。
 本番は、天気が味方してくれ、山小屋でスプリングコンサートをすることができました。
 風が吹き、梨の花が、山小屋全体を包み込むように舞い踊り、色とりどりの風車が鮮やかな色でクルクルと回り、そんな美しい光景の中で演奏でき、とても感動しました。
 やっぱりなのはなファミリーのみんなの力が集まったら、すごいと思いました。
 音楽演奏も、小バンドも、ダンスも、劇も、みんなの笑顔があふれていて、一体感を感じ、何度も胸が熱くなり、込み上げるものがありました。
 私は、前日のマラソン大会を、情けない結果で終えました。
 それは、私の汚い心持ちが、体調を崩すということで現れてしまったからです。
 みんなと作り上げて成功したスプリングコンサートでしたが、私自身の心持ちが間違っていたため、新春コンサートの時のように、心の奥底から前向きに楽しむことができませんでした。
 深く反省し、今の自分を受け止め、また、心を作り直していきたいと思っています。 常により良いものを目指し、自分自身もより良い自分に変え、次の機会では、最高に楽しみたいと思います。